
ベンジャミン・クレームは驚くべき発言をしている。
ロード・マイトレーヤは、人類を滅亡の危機から救済し、地上天国を建設する為、1977年に肉体を持った地上人として、既に降臨しているというのだ。
1977年と言えば、ルシファーを象徴する「巳」年であり、私が生まれた年である。
汝ら、疑うなかれ!我こそ、マイトレーヤである…さて、話を進めよう。
クレームによれば、ロード・マイトレーヤは1977年7月に、ヒマラヤの標高5400メートルにある光のセンターからインドに降臨し、その後、ロンドン市内のインド・パキスタン系移民の貧民街に移動したという。
つまり、マイトレーヤは「ヒマラヤの聖者」という訳だ。
だが、パキスタン出身のユダヤ人で、本名を「ラーマト・アーマド」と言い、ロンドンに10年間住んでイギリス国籍を取得したとも言われている。

クレームの説明によると、ロード・マイトレーヤはイギリスの市民権を持っているが、何千年もヒマラヤに住んでいた為、本質的に特定の国籍を持たず、チベット人でもネパール人でもないという。
ロード・マイトレーヤは、人間の間に住む為に自ら創造した肉体を持ち、「生まれた」のではないため臍はなく、不死の存在だという。
物質化で肉体を得たシャンバラの神仙なのだろうか。
そして、3つの方法で人々の前に現れるという。
1つ目の方法は、意識を高揚させる鮮明な霊夢として、キリストを体験させる。
2つ目の方法は、目覚めた状態でビジョンを与える方法で、人々にハッキリとした形でキリストを体験させる。
3つ目の方法は、世界中の個人やグループの前に肉体で現われる。

実際に、彼をメシアとして崇める集会に突然現れたり、人々の目の前で忽然と消えてしまったりする、テレポーテーションを世界中で起こしているという。
クレームが編集長を務める国際月刊誌『シェア・インターナショナル』は、1988年6月11日にケニアのナイロビで、6000人の人々の前に忽然と出現したロード・マイトレーヤの写真を発表した。
聴衆は、ロード・マイトレーヤを即座に「キリスト」と認識し、その名前で歓声を上げたという。
そして、彼らの言語であるスワヒリ語で10分ほど話し、現れた時と同じように忽然と消え去った。
驚くべき事に、マイトレーヤの近くにいた30人〜40人は、全ての病気が完全に癒されていたという。
この時の写真は、CNNやBBCで放映され、世界中の通信社に伝えられている。

その後、メキシコ、ロシア、全ヨーロッパ、アメリカ、中東、北アフリカ、インド、パキスタンなどの、大きなグループの前に肉体として出現し、それらの場所で泉や井戸を変性させ、奇跡の水を残してきたという。
その中で最も有名なのがメキシコの「トラコテ」の水で、ガンやエイズなど、あらゆる病気を持つ人々を癒している。
マイトレーヤは、各国の宗教団体に対しても大きな影響力を持ち、彼の名前の教会や聖堂を建てている国もある。
日本でも東京本部を中心に、約70ヶ所に支部が存在する。
そして、全人類の前に救世主として公に登場する日を待っているのだという。
それが事実であれば、マイトレーヤの称号を持つ彼こそが、釈迦が予言した「弥勒菩薩」であり、ユダヤ人が待望する「ダビデ王の再来」であり、クリスチャンが待望する「イエス・キリストの再臨」という事になる。

たが彼は、ルシファーを「光の天使」と仰ぐクレームが、「666のマイトレーヤ」として崇める救世主である。
クリスチャンの立場からすると、奴は黙示録の「反キリスト」以外の何者でもない。
ロード・マイトレーヤ(Lord Maitreya)はゲマトリアで「6」となり、スポークスマン(伝道者)のクレームは「偽預言者」という事になる。