
サナト・クマーラの正体が「ルシファー」である以上、地上にアダムが誕生する以前から存在した。
従って、その正体を「トート」だと断定するのは早計だ。
サナト・クマーラの伝説は、この日本にも存在する。
別に伝説という訳ではないが、京都市の北の果ての鞍馬山に祀られている「魔王尊」が、サナト・クマーラである。

鞍馬寺はもともと天台宗だったが、先代の貫主・信楽香雲が神智学の影響を受け、1952年に宗教法人・鞍馬弘教として立教したらしい。
鞍馬弘教の本尊は、「千手観音」「毘沙門天」「魔王尊」の三位一体で構成され、総称して「尊天」という。
尊天を象徴した塔

「魔王尊」は、650万年前に金星から地球に飛来したとされ、年代こそ違えど、神智学の「サナト・クマーラ」と同一神である。
それは、キリスト教でいう「堕天使ルシファー」であり、文字通り「魔王サタン」である。
「ルシファー」を三位一体の神に取り入れている宗教は、ヒンドゥー教(シヴァ)と鞍馬弘教(魔王尊)ぐらいであろう。

だが、もう1つ面白い話がある。
面白いと言っても、笑う系の面白いではない。
天台宗の総本山は、京都市の鬼門に位置する比叡山の延暦寺である。
ヒンドゥー教の「シヴァ」はルシファーに対応するが、インドの「三面シヴァ」を継承するのが、天台密教の「三面大黒天」である。

そして、天台密教の奥義に「日月星」の呪法がある。
日月星とは、文字通り「太陽」「月」「星」の事だが、一切衆生は、日月星から生まれて日月星に還るとされている。
キリスト教でも、神の世界には「太陽の栄光」「月の栄光」「星の栄光」があり、人間は3つの世界へと至るという。
天台密教の究極奥義では、日月星は「日+月=明」で「明星」でもあり、救世仏として「明星天子」を本尊とする。
つまり、天台宗は「ルシファー教」なのだ。
私の家系も天台宗。先祖代々、ルシフェリアン。
私は根っからの「反キリスト」なのだ。

さて、鞍馬寺の魔王尊像は鼻が高く、翼を持つ仙人のような姿で、その正体は「鞍馬天狗」だとされる。
鞍馬天狗は、日本の天狗界の首領である。
天狗の鼻は「傲慢」を象徴。
それは、傲慢ゆえに堕天したルシファーの姿と一致する。
サナト・クマーラの正体は「鞍馬天狗」だったのだ。
というのは、真っ赤な桃ならぬ真っ赤な天狗。

鞍馬弘教が立教する以前から、天狗は存在した。
天狗の歴史は長い。
何しろ、魔王尊は650万年前に降臨したというのだから。
いや、そういう事ではない。
天狗のルーツは修験道にあり、歴史上の人物がモデルとなっている。
それが魔王尊と習合したに過ぎない。
「魔王尊≠鞍馬天狗」
ペルシアの酔胡王(秦氏)

鞍馬寺の説明では、「尊天とは総ての生命の生かし存在させる宇宙エネルギー」である。
毘沙門天は、「光」の象徴にして「太陽の精霊」。
千手観世音は、「愛」の象徴にして「月輪の精霊」。
魔王尊は、「力」の象徴にして「大地の霊王」としている。
つまり、太陽と月と地球(日月地)の三位一体を本尊とする。

先ほどの、尊天を象徴した塔には「愛と光と力の像『いのち』」という名前が付けられている。
これはどうも、「シヴァ・リンガ」をモチーフとしているようだ。
「シヴァ・リンガ」とは「シヴァの男根」を意味し、妃のパールヴァティーの女陰(ヨーニ)と結合する形で具現化されている。
つまり、陰陽合一の象徴図形である「六芒星」の意味も含んでいるのだ。

そして、「シヴァ・リンガ」もまた、絶対三神を象徴し、太陽と月と星の「三栄光」を示している。
シヴァ・リンガは仏典に登場する「須弥山」を彷彿させるが、ヒンドゥー教徒はヒマラヤ山脈を「シヴァ・リンガ」に見立てて崇拝している。
ヒマラヤは聖者が棲む須弥山であり、その語源は「スメル山」でシュメールから来ている。

だが、「ヒマラヤ=須弥山」ではない。
須弥山の構造は、「ヨハネの黙示録」で降臨が予言されている「新エルサレム」に似ている。
「山=首都」が天空から降臨すると言えば、「エノク・シティ=アトランティスの主要部」としか考えられない。

尊天のパワーは何処にでも遍在するが、鞍馬山は特に尊天パワーが集中する霊山として、山全体が道場であると説明している。
確かに、鞍馬山は格別に荘厳な波動に包まれている。
では、大地の霊王たる「魔王尊」の正体は何か……。

魔王尊が鎮座する魔王殿は、鞍馬寺の奥の院として存在する。
その周辺一帯は、海底火山の隆起により、ジュラ紀のマグマで出来た火成岩で形成されている。
以前も延べたが、改めて言っておこう。
魔王尊(ルシファー)の正体は、地下の炎「マグマ」である。
マグマで出来た生命体という意味ではない。
「マグマ=ルシファー」で、それは地獄の炎にして大地の力なり。

では、「金星」と何の関係があるのか。
それは、太古の地球に、原初の金星(彗星メノラー)が急接近した際、「基アミノ核酸」がもたらされたと同時に、大規模なマグマの活性化が起きたものと推測される。
だが、アリオンは、「シャンバラの帝王は金星の王子と呼ばれた人」だと言っている。
飽くまでも「人」なのだ。

しかも、「彼の姿は眩く輝くオーラの為に、人間の視覚では炎の様にしか映らない」と述べている。
まさに、マグマ星人のようで、もはや「人」とは呼べない。
プラズマ生命体に進化した人間なのだ。
それは「金星人」か、さもなくば「昇天したトート」か……。
「彼」と呼ばれているからには、男である事はほぼ間違いない。
「ほぼ」というのは、オナベの可能性もあるからだ。
だが、ここでハッキリ言っておこう。
彼は、男であり、オカマでもある。
彼の正体に気付いている方も多いかも知れないが、話の構成上、まだ正体を明かす事は出来ないので御了承願いたい。