
聖書の記述によると、ノアの大洪水を生き延びたのは、ノアとその家族の8人だけだった。
たが、それ以外に、他の惑星に移住したエノクの街の住民が、大洪水後の地球に帰還したというSF的な仮説を発表した。
これは、シッチンが提唱する「ニビル星人」と同一存在を指すが、私の見解ではニビル星人などではなく、あくまでも(神でも)元地球人である。
彼らは、大洪水前の超大陸パンゲアの住民であり、ムー大陸の住民であった。
厳密に言えば、ムー大陸の「アトランティス人」だった。
彼らこそ、聖書に登場する巨人「ネフィリム」であり、「神の子」とも「悪魔」ともされ、明らかにノアの子孫ではない異人類として描かれている。
シッチンは「シュメール神話」の解読から、ネフィリムこそが人類を創生したニビル星人(ヤハウェ星人)で、聖書の「神」だと主張しているが、どう考えても私には信じる事が出来ない。
人類を奴隷として使う為に、猿人の遺伝子操作によって人類の祖となるホモ・サピエンス・サピエンス「アダパ(アダム)」を創造したというのだ。
このシッチン説では、ノアの大洪水後のシュメール文明を築いたのは、アダムだった事になる。

さて、『旧約聖書』には、ネフィリムについて次のように記述されている。
「神の子らは、人の娘が美しいのを見て、おのおの選んだ者を妻にした。
……(中略)……
当時もその後も、地上にはネフィリムがいた。
これは、神の子らが人の娘たちのところに入って産ませた者であり、大昔の名高い英雄たちであった」
(「創世記」第6章2-4節)
英雄と言えば、メソポタミア神話『ギルガメッシュ叙事詩』の主人公「ギルガメッシュ」を思い出すが、ギルガメッシュも巨人だった。
「我々が見た民は皆、巨人だった。そこで我々が見たのは、ネフィリムなのだ」
(「民数記」第13章33節)

ギルガメッシュもネフィリムだったに違いない。
バベルの塔はネフィリムが建設したという伝説や、ネフィリムの身長はエベレストの1/3に達するという伝承まである。
まず、「人の娘」と対比して「神の子ら」とされている時点で、異人類である事は間違いないだろう。
神の子らの原文は「ベネ・ハ・エロヒム」。
かつて、ムー大陸でアトランティス文明を築いた「半神半人」の子孫を意味するのではないだろうか。
一方で、聖書外典の「エノク書」によると、神の子とは「堕天使」のことで、人間を襲って食べたりする食人鬼としても伝えられている。
その「神の子」と「人の娘」のハーフが「ネフィリム」だというのだ。
神の子が堕天使であろうとなかろうと、人の娘と交尾をして子を生んだ以上、肉体を持った人間であり、身長は高く見積もっても5メートル以下だったと想像できる。

では、神の子は何故、「堕天使」とも表現されるのか。
ノアの大洪水以前の人類が、ルシファー(ナラヤナ)を崇拝していたからだろうか。
シッチンによると、人類に文明を与えたのは「ネフィリム」だったという。
聖書の説明では、ネフィリムはあくまでも神の子と人の娘の間に出来た子であり、その時点でシッチンの定義は間違っているが、そこは目を潰って解釈すると、要は「神の子」が人類に文明を与えたという事だ。
「創世記」に於いて、蛇(ルシファー)はイブに禁断の「知恵の木の実」を食べさせ、アダムもそれを食べた。
それによって、アダムとイブは知性を獲得し、人類は堕落していったとされる。
蛇は「知識」の象徴でもあり、世界中の神話でも、人類に文明を与えたのが蛇神だったという共通点がある。
つまり、物質文明の開花が、霊的進化の下降を辿る原因となった事を物語っている。
『旧約聖書』の主張では、人類に物質文明を与えたのが「堕天使」という設定になっているのだ。
従って、大洪水後に人類に物質文明を授けた「神の子」も、必然的に「堕天使」のレッテルを貼られる事になる。
或いは、他の惑星に移住したエノクの街の住民の一部が、堕落によって地上に戻されたと考える事も出来る。

また、「カイン」の存在も無視できない。
アダムの長男のカインは、ある嫉妬から弟アベルを殺した。
これが、人類最初の殺人だったという。
その後、ヤハウェにアベルの行方を問われたカインは、「知りません」と答えたが、これが人類最初の嘘だったという。
カインは殺人と嘘の罪によって、永遠に死なないという罰を与えられて、エデンの園の東にあるノド(「さすらい」の意)に追放された。
「カインは弟アベルを襲って殺した。
……(中略)……
土を耕しても、土はもはやお前のために作物を産み出すことはない。
お前は地をさまよい、さすらう者となる」
(「創世記」第4章8-12節)
「主はカインに出会う者がだれでも彼を撃つことがないように、カインにしるしを付けられた」
(「創世記」第4章15節)

カインに付けられ印とは、「肌の色を黒くされた」事と、「永遠に死ぬことなく地上を彷徨う」事である。
「ヨブ記」で、ヤハウェに「何処から来た」と問われ、「ほうぼうを歩きまわっていました」と答えたサタンは、カインだったのかも知れない。
さて、カインの子孫でノアの大洪水を生き延びたのは、黒人祖となったハムの妻だけである。
永遠に死なないという罰を与えられたカインも、大洪水に飲まれて死んでしまったのだろうか。
少なくとも、聖書には、カインが大洪水を生き延びたとは記されていない。
『竹内文書』の大洪水神話では、全地が泥海と化し、万物が絶滅したが、大洪水を逃れた天空浮舟が位山に降臨した。
これは、ノアの箱舟がアララト山系に漂着した事を示しているが、その時、何と、既に地上の黒石に「黒人祖」がいたというのだ。
これは、カイン以外には考えられない。
驚くべき事に、ノアの箱舟が発見された近くの地点に、もう一隻の巨大な箱舟が発見されているのだ。
カインは地上をさすらう者として、サタンと同一視される。

サタンは堕天使である。
ネフィリムは、堕天使「カイン」が人の娘に産ませた子だった可能性も否めない。
事実、ネフィリムはノアの大洪水で全滅したが、オグというネフィル(ネフィリムの単数形)だけは生き延びたという。
また、大洪水後、地上に突如出現した原始人の存在も見逃してはならない。
突如出現した原始人とは……オコツトが主張するアトランティス人である。
前太陽系次元、即ち、超大陸パンゲア時代、意識進化を持てなかったアトランティス人たちが大洪水で滅亡し、再び人間次元に転落して肉体を構成して出現した。
生命の自然発生については前に書いたが、彼ら原始人も「堕天使」と呼ぶことが出来る。
それは、共食いをしたり人間を殺して食べる「ネフィリム」の野蛮性を物語っている。

これは、スウェデンボルグが語る巨人「アンティデルヴィアン」と一致する。
アンティデルヴィアン(ネフィリム)は、堕落によってノアの大洪水で滅亡したという。
スウェデンボルグは、アンティデルヴィアンのいる地獄にも何回も出入りし、その様子をこう書き記している。
「聖なるものを自分勝手な考えから汚してしまった彼らは、霊界では人間の姿さえしていなかった。
彼らはどう見ても幻影か影としか見えない存在で、痴呆になったような様子であちこちと彷徨っていて、それから地獄に投げ込まれていくのだった。
地獄でも彼らは人間の姿をしておらず、同じ地獄の霊の中でも最下等の存在といってもいいもので、そのため一人前とは認められず“それ”と呼ばれていた。
彼らは時に地獄に天国からの光が射し込むと、その時には骸骨の姿に見えるのであった」
長くなるのでこの辺にしておくが、スウェデンボルグの話によると、アンティデルヴィアンの生前の堕落度は現代人と大差はない。
そして、アンティデルヴィアンは6000年以上もの間、地獄に閉じ込められているという。
アンティデルヴィアンの中でも、比較的堕落度が低かった者が、再び地上で肉体人間として再スタートしたのだろう。
スウェデンボルグ曰わく、イエス誕生の時代までは、アンティデルヴィアンは霊界で野放し状態で、霊界にも人間界にも悪影響を及ぼしていたという。
だが、終末といわれる現在、凶悪霊の人間界介入が、再び烈しくなってきている。
凶悪犯罪の多発や難病・奇病の増加もそれが原因で、現代人の80%以上が何らかの霊障を受けていると言われている。
その事は、『日月神示』や世界真光文明教団の『御聖言』でも預言されていた。
まさに、地獄霊による地上の地獄化、人間の悪魔化である。
しかし、「波長一致の原理」に基づけば、魔界波動の影響を受ける人間側に非がある。
その根本的な原因は「肉食」だと、『日月神示』は警告している。
「牛の喰べ物たべると牛の様になるぞ、人間の喰べ物は定まっているのだぞ、獣と神が分かれると申してあろうがな、縁ある人々に知らせておけよ」
「四ツ足を食ってはならん、共喰いとなるぞ、草木から動物生れると申してあろう。
神民の食物は五穀野菜の類であるぞ」
ここで、以下の等式が成立する。
「肉食=共食い=アンティデルヴィアン」

肉食をすれば、アンティデルヴィアンと波長が合いやすくなる、またはアンティデルヴィアンの憑依を受けた結果、肉食に走ると考えて間違いない。
極論言えば、人類滅亡の危機も、肉食が原因だと言っても過言ではない。
狂牛病や鳥インフルエンザ、豚インフルエンザ、そして新型インフルエンザは、その警告だと捉えるべきである。
ちなみに私は、世界真光文明教団の信者ではないが、しばしば引用する理由は、『日月神示』と同系統の預言書だからである。
また、私は胎児の頃、真光の手かざしで育てられたらしく、全く無縁という訳ではないらしい。
話を戻すが、結論として、サントリーニ 島がギリシア神話のティターン族の巨人「アトラス」に由来する事を考えると、サントリーニ島の巨人族が、ネフィリムを生み出した「神の子」という事になる。

即ち、エノクの街と共に昇天した「アトランティス人の子孫」である。
そして、ゼウスを筆頭とする“オリンポスの神々の視点から見れば”「神の子」であるティターン族の巨人アトラスは、まさに「堕天使」である。
では、彼らは、他の惑星からどのようにして地上に戻ってきたのか。
サントリーニ島の大噴火で、主要部であるエノクの街が再び異次元に転移した事を考えると、彼らはエノクの街「ラピュタ」と共にサントリーニ島に着陸していた事になる。
あまりにも非現実的で、非常に考えづらい話だが、そう仮定せざるを得ない。

また、彼らはUFOを開発して乗っていたフシがある。
エジプトでも、銀色のコスチュームを着た5メートルのミイラが発掘されている。
それを言い出すと、シッチンの仮説と同類になってしまうが、どうやら超古代からUFOが存在したようなのだ。
いずれにしても、ネフィリムには「野蛮派」と「知性派」の2種類が存在し、どちらも「堕天使」と表現できるが、本質的に天と地の差があるので、混合しないよう注意して頂きたい。
考えようによっては、人類の堕落を恐れたエノクが、ノアの大洪水を予見して、一部の人民を街ごと他の惑星に移して、無菌室に避難させた……という見方も出来るかも知れない。
そういえば、「出エジプト」の時代には2つの主が存在したが、イスラエル民族を荒野で40年間放浪させた主は、善神「バアル」だったのかも知れない。
「イスラエルの人々もまた泣いて言った。
『ああ、肉が食べたい。我々の目の前には、このマナのほか何もない』
……(中略)……
ウズラの肉がなお、彼らの歯の間にあって食べ尽くさないうちに、主は民にむかって怒りを発し、主は非常に激しい疫病をもって民を撃たれた」