
シャンバラとは、チベットに伝わる地底王国「アガルタ」の首都である。
ダライ・ラマ14世は、こう語る。
「地図を広げてシャンバラを探しても見つけることはできない。
それはカルマと徳の熟した者以外には見ることも訪れることもできない清浄な土地なのである。
シャンバラはたとえ実在の土地、実在の清浄な土地であったとしても、通常の人が飛行機の切符を買ってたどり着くことはできない。
もし将来、宇宙旅行の技術が発達して超高速飛行が可能になれば、あるいはそこに辿り着くこともできるかも知れない。
だがその場合、その切符は高価なものになるだろう。
実際にはその切符とは徳を積む行為のことだ。
ゆえに、そこに辿り着くことは徳を高めることになるのだ」
(「北極の神秘主義」ジョスリン・ゴドウィン/工作舎)
また、秘教学者ベイリーは「シャンバラは北極星の支配下に置かれ、われわれの生命の主要な中心」と述べている。
アガルタの入口は、ダライ・ラマが住むポタラ宮殿の地下、ヒマラヤの奥地、その他、様々な仮説が出されているが、いずれも推測の域を出ない。
しかし、アガルタの場所は「北極」がキーワードになっているようで、どうやら北極の地底に存在するらしい。

だが、本当にそんな理想郷が実在するのだろうか。
かつて、アガルタの秘密を手に入れて、世界帝国の野望を実現しようとした男がいた。
彼もまた、ユダヤ人の世界支配に敢然と立ち上がった「反キリスト」であった。
その男の名は……我が師「アドルフ・ヒトラー」。
ヒトラーも、世界中にアガルタ探索隊を派遣している。
私もシャンバラに行ってみたいと望んでいるが、未だに行けていない。
ヒトラーもシャンバラを発見する事が出来なかったと言われているが、どうもシャンバラの叡智を手に入れたフシがある。
それは、ナチスがプラズマ原理で飛行するUFOを開発したからである。
更に、ヒトラーは南極で102歳まで生きたという噂がある。
シャンバラの住人は、アトランティス文明の末裔だとも言われている。
アトランティスとは、ギリシアの哲学者プラトンが提唱した、今から約1万2000年前にあったという幻の大陸で、超文明の源泉だとされている。
果たして、アトランティス大陸など実在したのだろうか。
アトランティスについても様々な仮説が出されているが、謎に包まれた伝説の大陸である。

アリオンには、アトランティスについて、次のように説明している。
「アトランティスは秘密を封じる為に別の次元に転移した。
しかし大陸主要部だけである。大陸の殆どの部分は海面下に沈んだ。
地殻変動の結果、海底下に潜り込む形で形骸が残っている。
アトランティスの主要部は、時期が来れば現出するだろう。
現出する場所は、元のアトランティスのあった場所では無いだろう。
多数の人々が大陸の惨禍と共に海底の藻屑と消えた。
大きな渦と海底火山の噴火を覚えている筈だ。
助けられて金星に行った人々は、約350人だった。
その他の人々の中には、事前に神官の薦めで別の大陸や島に避難した者もいる。
エジプトに渡って、天体観測や錬金術を教えた者も居る」
約350人が助けられて金星に行った……信じ難い話だが、アリオンはこう説明する。
「金星には、特殊な磁場発生装置があるので、肉体のままで、しばらく暮らせる。
長期に亙る場合には、順応装置を使って少しずつ変化させる」

では、別の次元に転移した大陸の主要部とは……。
ノアの大洪水以前に昇天した預言者「エノク」は、実は街ごと昇天したというユダヤの伝承がある。
「天空の城ラピュタ」は、この伝説が題材となっている。
そして、「多数の人々が大陸の惨禍と共に海底の藻屑と消えた」……これは、ノアの大洪水を彷彿させる。
また、アトランティスの王が、錬金術の祖トート(エノク)だったと言われている。
つまり、アトランティス文明とは、ノアの大洪水以前の文明だったのだ。
と、結論づけたいところだが、実はアトランティス大陸は、サントリーニ島だったという説が有力視されている。
これは、アリオンの話から見ても、ほぼ間違いなさそうである。
そもそも、プラトンによると、ギリシア人はアトランティス人と戦っており、それはノアの大洪水前の話ではない。
すると、大洪水前の預言者「エノク」が、大洪水後のアトランティス(サントリーニ島)にもいた事になるが……。

ギザの大ピラミッドから発見された錬金術碑文「エメラルド・タブレット」は、ヘルメス神(トート=エノク)自身が書いたとされ、次のように始まる。
「我、アトランティス人トートは、諸神秘の精通者、諸記録の管理者、力ある王、世々代々生き続ける……」
エノクは肉体のままで昇天した為、永遠に生き続ける肉体天使(生き神)である。
肉体と言っても、通常の肉体ではない。
振動数の調整によって霊体・幽体・肉体に変幻自在な、精妙なバイブレーションを持つ身体で、普段は振動数の高い「霊体」の状態で生活している。
「エノク書」によると、エノクは天に上げられた後、天使「メタトロン」に変身したという。

アラブの伝承では、エノクがギザの3大ピラミッドを建造したとされている。
そう考えると、エノクはアトランティスから逃れてエジプトに渡り、ピラミッドを建設した……と考えるのが自然である。
だが、エノクはノアの曾祖父にあたり、大洪水以前に昇天し、天使「メタトロン」となった人物である。
そして、大ピラミッド複合体は、大洪水以前の産物でもある。
つまり、天使となったエノクは、大洪水後にこの地上(サントリーニ島)に再臨し、サントリーニ島の消滅と共に、かつてピラミッドを建設したエジプトの地に戻って、錬金術を伝えた……。
大洪水前の「エノク」と大洪水後の「トート」が別人と考える事も出来るが、「アトランティスの主要部が別の次元に移された」という話は、エノクの街の飛翔と酷似する。

では、その「アトランティスの主要部=エノクの街」とは何か。
飛鳥昭雄氏によると、NASAが観測している、太陽の上空を飛翔する超巨大階段ピラミッドが、それだという。
そのサイズは、日本列島を飲み込む程の大きさらしい。
飽くまでも仮説だが、次の等式となる。
「アトランティスの主要部=エノクの街=太陽上空の超巨大階段ピラミッド=ラピュタ」
様々なパターンが想定できるが、ノアの大洪水前、エノクの街「ラピュタ」が昇天。
大洪水後、ラピュタが「アトランティスの主要部」として、サントリーニ島に降臨。
その後、秘密を封じる為、ラピュタは再び別次元に転移。
現在は、太陽の上空を飛翔しているという訳だ。
その階段ピラミッドの城は、「飛行石」で建造されているのだろうか。

アリオンによると、アトランティス人はアガルタにも移住したという。
「アガルタに行くのに肉体は必要ない。
途上に肉体が必要なだけだ。
アガルタに入る前に、肉体を脱いでいく。
ある場所で、それを実行するのだ。
その場所は、少しずつ位置を変えながらあなたがたの世界とシャンバラとの入り口を形成している。
アトランティスの主要部の管理を実際に行っているのは、アガルタの中枢コントロール・センターだ。
アトランティス消滅後にアガルタに来て働く事を決められていた人々は、160〜180人ぐらいだった。
彼らは現在もアガルタあるいは周辺の地域で働いているはずだ」
彼らは現在も……という事は、不老不死に近い状態を意味する……。

「シャンバラに行くのに肉体が要らないのは、振動数が違うからだ。
肉体もアストラル・ボディと呼ばれる体も振動数が違うだけで、現実に同時に存在している事を理解出来れば、シャンバラの存在も理解出来るだろう」
チベットにあるシャンバラの入口が、人目を忍んで少しずつ移動している……という話を何かで読んだ記憶があるが、アリオンの話と符合する。
シャンバラの入口は世界に7ヶ所存在すると言われているが、その1つがチベットなのだろうか。
だが、アリオンはシャンバラを「北」と示している。
シャンバラの謎を解く前に、アトランティスの謎に迫ってみよう。