2010年05月26日

カナン神話と旧約聖書の善悪逆転劇

126701931629816319966_ur_shrine.jpg

ゾロアスター教の火を拝める思想が、ヒッタイト人にあった事を述べた。
同時に、製鉄には暴風も不可欠な要素であり、ヒッタイト人は「嵐の神」も信仰していた。
シュメール由来の「マルドゥク」である。
また、メソポタミア地方でもシュメール神話を受け継いで、マルドゥク(バアル)が広く信仰されていた。

バアルの象徴は「牛」であり、剣で竜を斬ったマルドゥクは、牛頭天王と呼ばれる暴風雨の神「スサノオ」なのだ。
ヒッタイトをルーツとするペルシア系スキタイ人……そして、ペルシアの地で興ったゾロアスター教。
ペルシアの古都「スサ」の王が、スサノオの語源だとする説がある。

「マルドゥク=バアル=スサノオ」

300px-Marduk-apla-iddina_II.jpg

バアルも「火」を象徴するが故に、ゾロアスター教の主神「アフラ・マズダー」は、バアルと同一神である。
問題は「バアル」である。
今まで一方的な視点で、聖書の絶対神「ヤハウェ」を悪魔のように書いてきたが、今度はヤハウェ側の視点から「バアル」を検証してみよう。
聖書は世界最大のベストセラーである。
その聖書に、「バアル」は悪魔だと明記されている。
それを私のような人間が、「本当はバアルが神で、ヤハウェは悪魔だ」と主張したところで、受け入れられる話ではないだろう。
それどころか、聖書を信奉している世界の数十億人から非難を浴びる発言である。
飛鳥昭雄氏に言わせれば、私は「ケリッポト」に堕ちた人間という事になるだろう。

まず、バアルはカナン神話の主神である。
カナン人は、ノアに呪われた「カナン」の子孫。
呪われたカナン人が崇める神が「バアル」である。
バアル信仰者の間では、赤子の人身供養の儀式も行われていたらしい。
バアルと同一神である「スサノオ」は、「荒ぶる神」として忌避され、高天原を追放されて根の国に行った神である。

82P82W82U82R8D86.jpg

つまり、天界から追放された堕天使「ルシファー」にも対応するのだ。
「根の国」とは「生命の樹」の根っ子を意味し、俗に「死の樹」と呼ばれている。
その落とし穴の入口を「ケリッポト」というが、所謂「地獄」の事である。
スサノオ(ルシファー)は、「死の樹」の底まで堕ちて魔王になったのだ。
それは同時に、「バアル」が魔王である事を意味する。
やはり、バアルは悪魔なのだろうか。

確かに、バアルはエジプト神話でも、悪魔「セト」と同一視される嵐の神である。
セトは、砂漠を焼き焦がす炎の悪魔。
アマルナ改革によって、「悪魔」とされた太陽神「アメン」とも符合する。
だが、木星神であり嵐の神でもある「バアル」のルーツは、シュメール神話の主神「マルドゥク」である。
マルドゥクが竜神「ティアマト」を殺したように、バアルはウガリット神話では竜神「ヤム・ナハル」を、カナン神話では7つ頭の竜「ロタン(リタン)」を退治している。

だが、ロタンは当初、初代「エル」の後継者として任命されていた程だった。
そうすると、バアルは、天使長「ルシファー」を倒した大天使「ミカエル」とも符合する。
事実、スサノオはヤマタノオロチを退治した英雄でもある。
ミカエルは「太陽の天使」と呼ばれ、「アメン」とも符合。

t1.jpg

『旧約聖書』には、もう1つの「竜退治神話」が登場する。

「その日、主は厳しく、大きく、強い剣を持って、逃げる蛇レヴィアタン、曲がりくねる蛇レビアタンを罰し、また海にいる竜を殺される」
(「イザヤ書」第27章1節)

レヴィアタン(リヴァイアサン)は口から炎を吹く竜で、水害を起こすとされているが、もともと天使だった。
つまり、「レヴィアタン」はサタン、ルシファーである。
すると、ノアの大洪水を起こしたのはルシファー(金星)であり、紅海割れを起こしたのもルシファー(惑星ヤハウェの裏の顔)という事で、一応辻褄が合う。

ここでは、主(ヤハウェ)が竜(レヴィアタン)を退治した事になっている。
ヤハウェも太陽神であり、「ヤハウェ=ミカエル」という解釈も出来なくはない。
ギリシア神話でも、ゼウスの子の太陽神「アポロン」が、大蛇「ピュトン」を退治している。
だが、レヴィアタンは、太陽を喰って日食を起こす悪魔とされており、太陽神「ヤハウェ」に勝ったという解釈も出来てしまう。

dfgh.bmp

換言すれば、ルシファーがヤハウェに勝ったのである。
これは何も無茶な話ではない。
シュメール神話では、ティアマトは淡水の神「アプスー」の仇を取る為、水神「エア」とその息子「アヌ」を倒している。
聖書でバアルは悪魔だとされているが、前述の通り、ウガリット神話では竜「ヤム・ナハル」を倒して「主」となっている。
ヤムは「海」、ナハルは「川」を意味し、要はシュメール神話の海の竜神「ティアマト」と同一視する事も出来る。
だが、その「ヤム」の語源について、「ヤハウェ」との関連性も指摘されている。

レヴィアタンは蛇である。
同時に、イエス・キリストの象徴も「蛇」。
即ち、ヤハウェの象徴も「蛇」である。
ユダヤ教の祭司を司る「レビ人」の由来は、レヴィアタンから来ている可能性もある。
だとすれば、レヴィアタンは天使の最高位「セラフィム」という事になる。
そして、バアルの意味は「主」!
主がレビアタンを倒したというのは、「バアルがヤハウェを倒した」と解釈する事も出来るのだ。

少なくとも、カナン神話やウガリット神話での「竜退治」は、そういう意味を持っている。
決定的な証拠は、レヴィアタンの語源が「ロタン」だという事である。
聖書の「レヴィアタン退治」は、カナン神話の「ロタン退治」の焼き直しであり、ロタンを倒した主の正体は「バアル」なのだ。
つまり、「ユダヤ教」と「カナン神話」は、神と悪魔が逆転しているのである。
posted by ヘンリー・クライスト(夢蛇鬼王) at 17:05| Comment(2) | 【第1章】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
神と悪魔の善悪が逆であることを悟った瞬間に、私を含めてすべての人間の善悪の知識がなんの役にも立たない無用なものであることを心底から理解しました。聖書否定から自己否定へと移り変わる間に、これが精神崩壊というものかと感じる恐ろしい体験をして、諸悪の根源である原罪を身体から追い出そうと神に叫んだ瞬間に、急に体も心も軽くなり、幸せな気分になってしまうという私の不思議な体験談でした。
Posted by エセキ at 2012年08月24日 16:42
エキセさん、初めまして。
自己破壊に耐えて凄い体験をしましたね!
おめでとうございます^^
Posted by 夢蛇鬼 at 2012年10月16日 22:18
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。