2010年05月26日

エジプト神話の神と悪魔の闘い

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太陽神「ラー」には「オシリス」という息子がいた。
エジプト神話では、この「オリシス」を中心として、「イシス」と「ホルス」という三位一体も構成されている。
オリシスの弟「セト」は、オリシスの王座を奪うべく、オシリスを殺してバラバラにしてしまった。

バラバラ殺神である。
オシリスの妻「イシス」は、オシリスの遺体から子種を採取して、息子「ホルス」を生んだ。
成長したホルスはセトにクーデターを起こし、長い死闘が繰り広げられたが決着が着かず、神々の会議で判定される事になった。
結果、ホルスに王位継承権が認められ、セトはエジプトを追放されて砂漠の魔神となった。

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まさに、セトは堕天使ルシファーのようだが、実際に、ユダヤ教の「サタン」、イスラム教の「シャイターン(ジンの別名)」の語源が、「セト」だと言われている。
「セト」の体の色は赤、「ルシファー」も赤い竜、ユダヤ教で「サタン」の象徴である火星も赤、イスラム教の魔神「ジン」の体も赤い炎。
そして、ジンは「アザゼル」とも呼ばれるが、セトと同じく砂漠の悪魔である。

確かにこの神話を読めば、セトは悪魔以外の何者でもないが、セトは「嵐の神」という共通点から「バアル」とも同一視されている。
シュメール神話の「マルドゥク」、ギリシア神話の「ゼウス」、ヒッタイト神話の「プルリヤシャ」、日本神話の「スサノオ」など……竜を退治した神や英雄は、皆、「牛」を象徴とする「嵐の神」である。

「マルドゥク=ゼウス=プルリヤシャ=スサノオ=バアル=セト」

その「セト」は悪魔でもある。

「セト=ルシファー=サタン=ジン」

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つまり、「バアル」または「セト」を基点として、神と悪魔の関係が一周する。
さて、ホルスが父「オシリス」の仇を討つ為に、叔父「セト」に復讐するあたりは、ギリシア神話のゼウスが祖父「ウラノス」の仇を討つ為に、父「クロノス」率いるティターン族を滅ぼした話と類似する。
ティターン族には、ルシファーと同じ7つ頭の竜がいた。
ここでは、ホルスがゼウスに対応するが、ゼウスはバアル(セト)にも対応するのだ。
ちなみに、クロノスは英語で「サターン」というが、サタンと無縁ではない。

サターンは土星の英語名で、サタン(悪魔)とは無関係だとされているが、それは早計だ。
サタンをギリシャ語で「サタナス」というが、ローマ神話でクロノスと同一視されている土星神「サトゥルヌス」の語源になっているのだ。
尚、オシリスを「御父ヤハウェ」に対応させると、ホルスは「御子イエス・キリスト」に対応するが、オシリスが死んで王位を継承した為、ホルスが「御父ヤハウェ」に対応する。

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ピラミッド・アイは「ヤハウェの目」と呼ばれているが、そのルーツはエジプトを象徴する「ウジャトの目」である。
ホルスはセトとの闘いで右目を失ったが、後にトートに治癒されて「ウジャト(健全なるもの)」として蘇った。
ヤハウェの目は、「ホルスの目」だったのだ。
しかし、フリーメーソンの最高階級では、本当は「ルシファーの目」だと公開されるという。

「ホルス=ヤハウェ=ルシファー」

これには深い意味があるので、改めて述べたい。
ちなみに、バラバラにされたオリシスの遺体は、イシスが肉片を集めて復活させた。
この点、オシリスは「イエスの死と復活」の予型となっている。
ミイラ造りや蓋のない石棺も、「復活」を前提として行われた儀式だった。
しかし、復活したオシリスは「冥界の王」として君臨した。
ここでは、オシリスが魔王「ルシファー」と対応する。

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神話の構造そのものに見られるこれらの矛盾は、神と悪魔の表裏一体性や二面性、神と悪魔の逆転現象が原因しているが、詳細は徐々に明らかにしていくつもりである。
また、神の名前が独り歩きして悪魔にされてしまうケースも多く、名前だけで判断すると本質を見失う事になる。
一例では、ザビエルが「ヤハウェ」を指して用いた、ラテン語の主「デウス」がギリシア神話の「ゼウス」になったが、一方では、聖書外典の悪魔「アスモデウス」の語源になった事などが挙げられる。

アスモデウスは、ペルシア人の娘に取り憑いたという。
紀元前586年、ユダヤ人は新バビロニアの侵攻を受けて捕虜として連行されたが、紀元前537年に新バビロニアを倒したペルシアに解放された。
ペルシア人は、ユダヤ人の恩人である。
次は、そんなペルシアの神話を検証してみよう。
posted by ヘンリー・クライスト(夢蛇鬼王) at 14:18| Comment(0) | 【第1章】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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