2010年05月26日

中世の悪魔論とバアルの正体

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中世の悪魔論では、「バアル」は60人以上の配下を持つ悪魔の弁護人とされた。
その他、2本の角と尻尾を持つ「ベルフェゴール」や、蝿の姿をした「ベルゼブブ」、80人の軍勢を従える地獄の大使「ベリアル」など、様々な悪魔が生み出された。
この「ベル」や「ベリ」はバアルに由来し、本質的には同じ悪魔(異教の神)である。

「キリストとベリアルにどんな調和がありますか」
(「コリントの信徒への手紙U」第6章15節)

キリストと対比される程、ベリアルは力を持っているらしい。
聖書外典の『バルトロマイの福音書』によると、ベリアルは最初に創造された天使だという。
つまり、ベリアル(バアル)の正体は「ルシファー」なのだ。

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また、7つの蛇の頭を持つ「アザゼル」という悪魔がいるが、これもルシファーに他ならない。

「アロンは二匹の雄山羊についてくじを引き、一匹を主のもの、もう一匹をアザゼルのものと決める」
(「レビ記」第16章8節)

主はヤハウェであり、それに対比されるアザゼルは間違いなく「ルシファー」を指している。
山羊を手に入れたアザゼルは、やがて己の姿を山羊に変え、悪魔のイメージの定番となった。
近代に入って、その山羊頭の悪魔は「バフォメット」と呼ばれるようになり、牛と山羊の違いはあるが、2本角である以上「バアル」を示唆している。

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だが、バフォメットの語源は明らかにイスラム教の開祖「マホメット」で、異教の聖者が悪魔にされた典型的な例である。
では、山羊やマホメットが悪魔とされた理由は何か……。

「そして、すべての国の民がその前に集められると、羊飼いが羊と山羊を分けるように、彼らをより分け、羊を右に、山羊を左に置く。
そこで、王は右にいる人たちに言う。
『さあ、わたしの父に祝福された人たち……』
……(中略)……
それから、王は左にいる人たちにも言う。
『呪われた者ども、わたしから離れ去り、悪魔とその手下のために用意してある永遠の火に入れ』」

(「マタイによる福音書」第26章32-41節)

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ダビデは羊飼いで、イエスは「人類の羊飼い」と呼ばれている。
右が羊(イエス)であるのに対して、左は山羊(アザゼル)だとされているのだ。
ユダヤ教から派生した宗教に「キリスト教」と「イスラム教」がある。
これをカバラ(ユダヤ神秘思想)の象徴図形「生命の樹」の三本柱に対応させると、真ん中が「ユダヤ教」で、右が「キリスト教」、左が「イスラム教」となる。
つまり、悪魔である山羊頭のアザゼルが「イスラム教」という事になり、マホメットの名に因んで「バフォメット」という悪魔が考え出されたのだ。

ちなみに、アザゼルの語源はエジプト神話の「アサアル」で、ギリシア語で「オリシス」と言う。
オリシスは弟「セト」に殺されたが、冥界の王として復活し、この復活神話が「バアル」と同一視されることもある。
冥界の王という意味では、「ルシファー」とも共通する。
また、復活はイエス・キリスト最大のパフォーマンスでもあった。

「アザゼル=オリシス=バアル=ルシファー=イエス・キリスト」

つまり、「生命の樹」の左右の柱は、合わせ鏡になっているのだ。
もっと言えば、両者は一体。
その意味は、まえがきで書いた通り、アダム(イエス・キリスト)に神の息(聖霊)を宿して「人間」が造られた事からも分かる。
つまり、右の柱を「肉体」、左の柱を「霊」と見なせば、両者が一体となったのが人間なのだ。
更に言えば、霊は極微の物質で形成されているが、物質はその極微の物質の集合体で構成されている。
究極的に「霊体=肉体」なのだ。
posted by ヘンリー・クライスト(夢蛇鬼王) at 01:52| Comment(0) | 【第1章】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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