2010年05月26日

古代オリエントの金星神と凶暴彗星「メノラー」の謎

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彗星「メノラー」は、後に現在の金星となった。
金星は「ルシファー」の象徴である。
ノアの大洪水を起こしたのが彗星「メノラー」だったとすると、まさにルシファーは人類を滅亡させた悪魔である。
メノラーとは、ユダヤ教の「七枝の燭台」のことで、象徴的に7つ頭の竜である「ルシファー」を暗示している。
そして彗星は、まさに宇宙を暴走する「巨大な竜」に喩えることができる。

古代オリエントの金星神は「イシュタル」という女神で、金星の輝きが特別視されていたが、「髭があると言われた金星」とも表現している。
イシュタルは女神だが、なぜ髭があると言われたのか……。
また、イシュタルには「アシュタロト」という別名があるが、その頭には牛のような二本角が生えている。
ペルシアの金星神「ティストリャ」も、金色の角を持つ牡牛の形をした光り輝く神である。
サモアでも「金星は凶暴になって頭から角が生えた」という伝承がある。
ティアマトの配下の獣にも「牛人間」や「有角人間ラハム」がいるが、同じようなものだと考えて良いだろう。

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アラブやペルーでは、「金星には髪がある」という。
ローマ神話の金星神「ヴィーナス」や、ギリシア神話の金星神「アフロディティ」にも長い髪がある。
金星神が身に付けた「髭」「角」「髪」と形容されるものは、一体何なのか……。
ギリシア語で髪を「コマ」と言うが、コマから派生した言葉に「コメット(彗星)」がある。
髭や髪の正体は、彗星「メノラー」の尾を表現したものなのだ。
また、彗星は2つの尾を持つことがあり、それが「二本角の牡牛」に喩えられたのだろう。

メキシコ人は、金星を「煙を吐く星」と呼び、金星神「ケツァルコアトル」を翼の生えた蛇として表現している。
アシュタロト、ティストリャ、ヴィーナス、アフロディティ……神話によって名前は違うが、全てオリエントの金星神「イシュタル」が基になっている。
イシュタルは女神だが、もともとは男神だった。
それが聖書で悪魔とされ、サタン(ルシファー)となったのである。

また、イシュタルの別名である「アシュタロト」は、中世の悪魔論に登場する「アスタロト」となった。
アスタロトはコウモリの翼を持って竜に跨り、40人の悪魔を従えているという。
もちろん、このような悪魔の姿は人間の想像の産物だが、アスタロトのルーツがアシュタロト(イシュタル)である以上、アスタロトとルシファーは同一神(悪魔)なのだ。
確かに、凶暴彗星だった金星が悪魔だとされたのも無理はないが、それ以外にも色々な理由があるようだ。
posted by ヘンリー・クライスト(夢蛇鬼王) at 01:12| Comment(0) | 【第1章】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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