
世界の神話の源泉がシュメール神話にあれば、当然、聖書のサタン(ルシファー)の原型もシュメール神話にある。
ルシファーは「竜」である。
世界の竜伝説の起源も、突き詰めれば最終的にシュメール神話に行き着く。
シュメール神話の竜は「ティアマト」という海水の神で、仲間に淡水の神「アプスー」がいた。
しかし、アプスーは、主神である「エア(エンキ)」に殺されてしまった。
ティアマトはアプスーの仇を討つ為、配下の「キングー」と11匹の獣を引き連れて「エア」に戦いを挑んだ。
これは丁度、聖書でルシファーが神に戦いを挑んだ事に対応する。
しかも、ティアマトの配下の獣には、黙示録のルシファーと同じ「7頭竜」がいた。
だが、シュメール神話では、この戦いで主神「エア」が死亡し、エアの息子「アヌ」もティアマト軍に敗北。
その後、エアのもう1人の息子「マルドゥク」が、ティアマトと対決。
マルドゥクはティアマトの体を真っ二つに切り裂き、体の半分を天空に、残りの半分を大地に広げ、天空の水と地上の海が出来たという。

そして、マルドゥクはキングーの血から人類の祖「アメール」を創造。
その後、神々を「天上の神」と「冥界の神」に分け、マルドゥクは神々の王として主神となった。
この冥界の神が、後に「サタン」という概念になっていくのだが、この神話を見る限り、もともと彼らは仲間の仇を討っただけであり、悪事を働いた訳ではなかった。
尚、実際にこのような神々の戦いが起きたと考えるのは荒唐無稽で、ヴェリコフスキーは「神話の出来事は太陽系で起きた出来事」だと主張した。
つまり、シュメール人は、天空に輝く星々を「神々」だと考えていたのである。
そして、マルドゥクは木星神である。
海水の神ティアマトがルシファーだとすると、何故ルシファーが金星神(明けの明星)とされるようになったのか。

モーゼの時代、カナン神話では既に「明けの明星」「宵の明星」という言葉が使われていた。
つまり、当時の金星は軌道に乗っていた事を示している。
どういう事かと言うと、「金星はモーゼの時代以前から存在していた」という事である。
では、モーゼの奇跡を起こした「神の力」の正体は、一体何だったのか。
何らかの天体が関与していた事には違いないだろう。
ノアの大洪水を起こした元凶は、太陽系・第12惑星「ヤハウェ」だとされている。
これはシッチンが主張する惑星「ニビル」の事で、反地球「クラリオン」とも呼ばれている。
シッチンによると、シュメールの神々の正体はニビル星人で、近年、クラリオン星人の写真も公開されているが、信憑性は微妙なところだ。

ところで、ヴェリコフスキーが、モーゼの奇跡の原因を「彗星だった金星」に求めたのには理由がある。
だが、モーゼの時代、既に金星は存在した。
しかし、紀元前2000年以上前の神話には金星が登場しない。
古代バビロニア帝国の時代になって、初めて金星が描かれるようになったのだ。
その金星の名前は、古代バビロニア語で「大きな星たちに加わった大きな星」だという。
つまり、4000年位前までの金星は「彗星」だった可能性が高いのだ。
NASAはこの彗星に「メノラー」というコードネームを付けている。
ノアの大洪水を引き起こした神の正体は……
ズバリ、彗星「メノラー」だったのではないだろうか!
そして、モーゼの奇跡を起こした神の正体は……
ズバリ、惑星「ヤハウェ」だったのではないだろうか!